今日も針を落とすんだ

20代が綴るブルース、レコード、その他大好きなもの

話題のブルースムービー サイドマンを観てきた

だいぶ更新が滞ってしまいましたが…久しぶりのアップです。

 

最近はドキュメンタリーやドラマを含めて音楽関連の映画が増えましたよね。その中でも個人的にとても楽しみにしていた「サイドマン:スターを輝かせた男たち」を観てきました。

関西では京都か兵庫県のみの上映。その中でも兵庫県塚口サンサン劇場の上映は、日本のブルースマスター、永井ホトケ隆さんの交渉により実現したようです。ありがたい話です。

 

この映画はブルースマンのドキュメンタリー。

シカゴ ブルース界の二大スター、マディ・ウォーターズハウリン・ウルフらを支えた3人の男たちの偉大さを伝える、という内容です。

その3人というのがピアニストのパイントップ・パーキンス、ギタリストのヒューバート・サムリン、ドラマーのウィリー・"ビッグ・アイズ"・スミス。

あらすじは予告編や公式サイトに書いてある通り。ネタバレもクソもないです(笑)。

 

でもね、ブルース好きにはとにかく観て欲しい映画です。まず、映画館のスクリーンに映るブルースマンのかっこよさったらありゃしない!

迫力の音で聴けるサウンドには思わず足踏みしてしまいました(横の方、ごめんなさい)。

そして、今までフロントのミュージシャンばかりに注目していたことに反省。

この3人の中ではヒューバートは大好きだったけど、他の2人については音は聴いていても、あまり気にしていなかった…

もちろん、レコードを聴いていて、このドラムがいいなぁ!とかベースかっけええ!なんて思うことはよくあるのですが、もっともっと各ミュージシャンに興味を持つべきだなぁと。

彼らがいないと名盤や名ライブは生まれない、ということを痛感しました。

 

繰り返しになりますが、ブルース好きは勿論、ロックファンや楽器プレーヤーの方達にも観ていただきたい映画です。

 

それにしても、映画が始まるまでの間に劇場でマディの"Manish Boy"が流れていたのが憎い演出だった…!

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(写真撮るの下手くそですいません)

 

シカゴブルースのボスが、ゴッドファーザーを歌う 

ブルースが好きな人でこの人を知らない人はいないでしょう。

また、ブルースに興味がある、もしくはあまり詳しくない人でも名前は聞いたことがあるのでは?

その人の名はマディ・ウォーターズ

 

歌声は野太く、セクシー。B.B.キングのような歌のうまさがあるわけではないのです。でも、この人が歌いだすだけで雰囲気ががらりと変わる、聴衆を引き付けてしまう、そんな魅力からいえばブルース界でもトップレベルでしょう。

それに、決してテクニカルではないけれど、妖しくいやらしいスライド・ギター。

低音弦側をボトルネックで勢いよくリフを弾くスタイルはロックへのつながりを感じられ、1、2弦をプイ~ンと鳴らせばデルタブルースの香りがプンプン。

 

さらに、バックバンドのすごいこと!

たとえば、ハーモニカだけに絞っても…

リトル・ウォルターにビッグ・ウォルター、ジェイムス・コットン、ジュニア・ウェルズ…この人たちだけでお客さんも呼べてします、フロント級の名プレイヤー(実際、彼らは自分名義のアルバムも出しています)。

ギターにしろ、ピアノにしろ、そんな人たちが集まってバックに徹するのです。

マディに限らず、ブルースやジャズの世界ではよく見かけますが、この人の場合は豪華すぎる!

マディ・バンドにいた、という一言がそのプレイヤーの実力を物語る代名詞になってしまう。

 

マディ個人だけでも聴きごたえがあるのに、そこにこんなバックがついたら鬼に金棒。

この面々が録音したブルースは、ついには海を渡ってたくさんのミュージシャンに影響を与えました。

有名なのは、イギリス勢のエリック・クラプトンローリング・ストーンズフェイセズあたりも絶対好きなはず。 

ストーンズのバンド名がマディの曲”Rollin’ Stone”から名づけられた、なんてエピソードはロックファンの間でも有名ですよね。

 

いまさら語る必要もないことを書いてしまいましたが、本当に偉大なブルースマン。まさにシカゴブルース界のボス。

そんなマディが1960年に、チェスレコードより発表したアルバムがこちら。

 

MUDDY WATERS SINGS BIG BILL BROONZY”

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タイトルにもある、ビッグ・ビル・ブルーンジーとは主に1930年代から1950年代に活躍したブルースマン1920年代にはシカゴに移り、亡くなる1958年までブルースを演奏し続けました。

マディが1940年代からシカゴで活動を始めましたから、ブルーンジーはマディの先輩になります。

しかも、ブルーンジーの驚異的なギターテクニックと、ディープな歌声は数多くのブルースマンに影響を与えました。そして、その中の一人がマディ。

ブルーンジーはシカゴブルース界ボスのアイドル、つまりシカゴブルース界のゴッドファーザーといえますね。

 

ストーンズがマディに憧れたように、ブルーンジーから影響を受けたマディが彼の曲をカバーした一枚。しかも、全曲ブルーンジーのカバー!

ビッグ・ビル・ブルーンジーがアコギの弾き語りで録音した曲たちを、上述したバンドを従えて、極上のエレクトリックブルースに調理しちゃいました。

マディ、ゴッドファーザーの曲を完璧に自分のものにしています。

何も知らずに聴いたら、いつも通りのゴキゲンなマディの歌やバンドサウンドやん!!、って思ってしまいます。

でも、このアルバムの最後の曲、”Hey,Hey”なんかはオリジナルのギター奏法をうまくバンドで表現していて、マディからブルーンジーへのリスペクトが伝わります。

マディにも、アイドルがいて、憧れていた時代があったんだよなぁ、と少し微笑ましい気持ちになります。微笑ましい気持ちになるジャケットでは決してありませんが。

 

個人的に、マディの最初の一枚に聴いてもいいと思います。よくおすすめされるのは”The Best Of Muddy Waters"ですが、こちらもマディの良さが味わえますから。

 

 

 

 

 

 

音楽に時代は関係ない

「古くてもいいものはいいんだよね。」

こんな言葉を耳にしたことはないでしょうか?

月並みなフレーズだけれども、僕もそう思います。

 

今僕は25歳。新しい音楽には目もくれず、週末はレコード屋さんをはしご。

ブルースやソウル、60年代70年代ロックにどっぷりつかっています。

そして、その底なし沼がどんどん深くなっていく毎日が、楽しくてしょうがないのです。

 

そんな僕の好きなブルース、レコード、ライブについて文章に残したい!と思いブログを始めてみました。

マニアの方からしたらライトな内容に思えるかもしれませんが、レコードやブルースって楽しいよ、ということが伝わればいいな。

そして、もしもここから同世代のオールドミュージックファンの輪が少しでも広がれば、こんなにうれしいことはないです。

 

時には音楽以外にも、僕の好きなことやものが登場するとは思いますが…

 

とにかく、そんなぽんてつのブログをよろしくお願い致します!